カテゴリ:各学年の様子
山ねこ、おことわり

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 先週の6月3日(金)に4年国語科の研究授業があり、県西教育事務所H口指導主事さん、町教委N村指導主事をお招きして、校内研究会を開催しました。授業者は担任のI永先生です。今年度の国語科の研究は、物語文を教材とした授業で行うことになっており、今回は「白いぼうし」と同じシリーズの「山ねこ、おことわり」を教材とする授業でした。4年生は今年度、登場人物の気持ちや性格を想像しながらノートに書いたり、それを友達と交流したりしながら、作品を読み深める活動を積み重ねているところです。本時では、その4月からの成果が感じられる授業となりました。

 まず、教室に入ると子供たちの雰囲気がピリッとしていて、「これから研究授業が始まる」という緊張感が漂っていました。前時までの本文への書き込みを見ると、どの子もたくさんのラインが引かれ、想像したことが書き込まれていました。本時は乗客が山ねこと気付いたときの主人公の松井さんの気持ちを考える活動がメインでした。「送ってあげようかな、いや、送るべきだ」と、松井さんがいろいろなことを考えて「いいです。お送りしましょう」と、決心します。その時の気持ちを子供たちは話し合っていきました。
 I永先生は音読を大事にされていて、授業の中で繰り返し音読をさせていました。そのことで子供たちが単なる想像ではなく、本文に着目して考えるようになります。「山ねこのお母さんが病気で大変そうだから、送ってあげよう」「早く行かないと、病気で死んでしまうかも」「医者である山ねこを送らないと、お母さんの病気が治らない」などと、相互指名で子供たちは発言を重ね、山ねこの状況を心配する松井さんの気持ちを想像していきました。

 授業後の研究協議では、音読や一人読み、意見の述べ方や相互指名の指導方法、必然性のある学習問題の設定などについて協議が深まりました。特に意見発表のスキル(例えば、先に結論を言い、次に根拠を述べるなど)を高めていくと、より互いに理解が深まる話合いとなると思いました。前回の算数に続き、成果だけでなく課題も明確になったよい研究授業であり充実した研究協議でした。
 I永先生は日頃から子供たちのわずかな頑張りや変化を見逃さずに認め、子供たちのモチベーションを高めています。何よりも「やる気のある」子供たちが育っていることがすばらしいことだと思います。今後の4年生の成長が楽しみです。

公開日:2022年06月07日 12:00:00
更新日:2022年06月10日 12:04:41