カテゴリ:K's Room
芦ノ湖の学習

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 一昨日、芦ノ湖八番桟橋にてマスの放流が行われ、1年生と6年生が参加しました。この行事は、本来1年生の入学記念に、6年生が前年度に採卵したヒメマスの稚魚を一緒に放流するものですが、今年度は稚魚の育ち具合と行事のタイミングが合わなかったため、アマゴ(サクラマスの亜種)の放流となりました。
 これらの採卵・放流学習は旧箱根小学校で始められた行事で、その伝統が本校に受け継がれています。芦之湖漁業協同組合のご協力で毎年実施できています。組合長の福井さんには、大変お世話になっています。放流したアマゴは、これから芦ノ湖で育っていきます。子供たちも負けないくらい元気に成長してほしいと思います。

 さて、お世話になっている芦之湖漁業組合の方々の中に、私の旧箱根小時代の教え子が2人います。当時は5年生が採卵・受精させたブラウントラウトの卵を孵化させ、稚魚をできる限り長く育ててから漁協に返すという学習をしていました。マスの卵はメダカと違って肉眼でも観察でき、とてもよい理科の教材でした。孵化の瞬間も見ることができました。しかし、孵化した稚魚を育てるのはとても難しく、あっという間に病気が広がったり、水槽内の水温が上がってしまったりして、長くは教室で育てることはできないのです。
 前述の教え子たちのときは、子供たちが特に熱心で、3月に入ると水温上昇を防ぐためクラスみんなで氷を持ち寄って入れるなど、悪戦苦闘の毎日を過ごしました。あのとき、生命を何とか守ろうと必死に工夫していた子供たちが、現在大人になり芦ノ湖の産業にかかわり子供たちを指導してくださっているのを見て、私は芦ノ湖の自然を学び伝えていく大切さを毎年感じています。昔のように芦ノ湖の学習に時間をたっぷり費やすことはなかなかできなくなりましたが、特に採卵学習を経験する5年生にとっては、箱根の自然を学ぶ貴重な機会となります。単に採卵を経験するだけでなく、芦ノ湖について学ぶテーマの設定が大切になってきます。近くなったら、5年生の担任の先生とも相談してみようと思います。

公開日:2022年05月11日 12:00:00
更新日:2022年05月13日 12:23:05