カテゴリ:K's Room
学校生活アンケートの結果から

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 だんだんと本格的な夏が近づいてきています。文書処理をしていたら教頭先生から「アリの行列ができています!」と報告を受けたので外に出てみました。確かにイノシシが掘り返した土のところから長い列ができていました。教頭先生は「いつまで見ていても飽きないんですよね。」と言いながら、校務員さんとひたすらアリの列を追っていました。すぐ近くの学級園では、2年生が夏休みに備えて草取りをしていました。何かのどかな夏休み前の学校です。

 昨日、先月実施した学校生活アンケートの集計結果が回覧されてきました。相変わらず自己肯定感や自己有用感が低いことが気になりました。「自分が好き」「自分は役に立っている」という項目の自己評価が上がらないのです。本校だけでなく、箱根町全体の課題といえると思います。回覧用紙には児童指導担当のT先生のコメントが付いていて、「(子供たちが)どうしたら役に立っていると思えるようになるのか、皆さんで考えていきましょう。」と書かれていました。私も「もう一度、自己肯定感や自己有用感を育てる具体的な手立てを考えていく時期かな。」と、T先生と同じことを感じました。同時に「学校だけが意識して取り組むのではなく、家庭や地域、特に家庭との連携が必要だな。」とも思いました。

 箱根教育の「徳育」では、豊かな人間性や社会性を育み、信頼される人への根っこづくりを大切にしています。その土台としての「心」づくりは、学校・家庭・地域が連携して取り組むべき大きな課題であると考えています。自己肯定感を育むために、学校では意識してあらゆる場面で子供たちをほめ、子供たち同士で成長や活躍を認め合う場をつくってきています。
 自己肯定感とは、「自分は自分でいい。」という自分の存在に対する自信のことです。人間にはできることもあるし、できないこともあります。そのありのままを「ほめて」「認めて」あげることが、自己肯定感を高めることにつながります。また、結果に対して「頑張ったね。」「よくできたね。」という言葉は確かに子どもたちの自信につながるのですが、それよりも「頑張っているね。」「ありがとう。」と、過程をほめたり、やろうとした意欲に対して嬉しいと伝えたりすることの方が、子どもたちの前向きな気持ちが育ちます。
 ただ、そうは言っても学校や社会ではどうしても結果が評価される場があります。しかし、家庭にはそれがありません。家庭は学校以上に、「自分はこれができなくても、存在する価値があるのだ。」という心を育てることができる場であると思います。このように、子どもたちの自己肯定感や自尊感情は、やはり家庭教育が土台となって育つものであると思っています。そして、学校はこまめに子どもたちの様子を家庭に発信していくことが大切だと考えています。これからも学級だよりやホームページだけでなく、教育相談や連絡帳などでもできる限りそれぞれの子どもたちの頑張っている姿を家庭に伝えていきたいと思います。

 来週の火曜日は1学期の終業式を迎えます。子供たちに「あゆみ」を渡しますが、そのとき担任の先生はきっと「子供が輝く、黄金のひとこと」を言葉で添えることでしょう。ご家庭においても、子供たちが前向きになれるような言葉を用意してくださるとありがたいです。

公開日:2021年07月15日 10:00:00
更新日:2021年07月16日 10:58:56