【タイトル】
学級経営の話【本文】
今週の水曜日の放課後、本校の若手教員が自主的に行っている研究会である「いちご研」に呼ばれました。「キャリアの浅い先生方と資料をもとに雑談をしよう」と考えていたのですが、なぜか中堅・ベテラン陣、そして教頭先生や教務主任、養護教諭、英語専科の先生までもが図書室に集結し、一気に校内研修のムードになってしまいました。今回は主催するS藤先生に「学級の児童同士や児童と教師の関係づくりを中心に、学級経営について話してほしい」と頼まれていました。時間が25分と短い設定でしたので、絞りに絞って自分のある意味学級づくりの原点となった子供の作文を紹介してみました。 私は初任校が小田原市の小規模校でした。3年目に初めて6年生30名の担任を任されました。5年担任からの持ち上がりでした。そこで苦労したのが女の子たちとの人間関係づくりです。若い男性教師にとって、高学年の女子たちとどう信頼関係を結んでいくかは大きなポイントです。私は男の子たちとは子供会のソフトボールチーム監督として土日もつきあっていたので、女の子たちとは休み時間や放課後の時間などをつかって、本当によくいろいろな話をしていました。そのおかげか2年間子供たちと対立するようなこともなく、自分では学級経営がうまくいった2年間だと思っていました。しかし、卒業式の後、「先生今までありがとう。私達一人一人が先生との思い出を書きましたので、後で読んでください」と渡された子供たちの作文を読んで、私は愕然としました。「自分は子供たちの気持ちをまるで理解していなかった」「子供たちの方が自分よりもよっぽど大人」、そう感じるような作文(すべて女の子たちの)がいくつかあったのです。以下、いちご研で紹介したA子の作文の一部です。 体育大会が近づいていました。私は「走りはばとびでがんばろう」と、心の中でずっと思っていたのです。練習内容は先生が考えます。私達は頑張りました。先生は他に高とびの担当でもあり、いそがしかったと思います。私達(はばとびの)4人も記録をよくするためにひっしでした。でも、高とびの人達みたいに記録はのびず、私達はかげでこそこそ練習しました。先生は、練習時間を3とすると、そのうちの2は高とびを見ていました。そして、私達にほんの少し顔を出しただけで高とびの方へ行きました。それは、大変だからしかたのないことかもしれないけど、担当ならば、せめて半分の1.5くらいは顔を出して、練習を見てほしかったです。 それともう一つ。私の記録がなかなかのびなかった時のことです。先生がB子に、「A子は800m走の方がよかったな」といったそうですが、本当ですか?たいしてきずつきそうもない言葉ですが、私はそれを聞いた時、ボロボロ家で泣きました。がんばってやってきたのに、体育大会間近でそんなことを言われて。「がんばったのに」と思いました。 事実でない部分もあるにしろ、子供たちは最後に本音を書いてくれたのです。私は大会直前になりグイグイと記録を伸ばしていく高とびの子供たちの指導に、つい熱を入れてしまったのでした。ちなみに高とびは小規模校だったにもかかわらず、男子のC男が1m38cmを跳んで1位。女子の2人も1m24cmを跳び4位入賞と輝かしい成績でした。 ほかにもいろいろと似たような作文を女の子たちからもらいました。「男の子のソフトボールばかり熱心にみていて、私たちのポートボールももっとみてほしかった」(ポートボールは、地域の方が監督をされていました)という言葉もありました。初めての6年生の学級経営は最後の最後に複雑な思いを抱えて終了しました。しかし、この作文はその後高学年を多く担任することになる自分自身のよい教材となりました。この子たちはとても賢かったので、それでも我慢してついてきてくれたのでしょう。学級経営の大事な部分である人間関係づくりについて、真剣に考える機会を与えてくれたA子はじめ当時の教え子たちには感謝しています。【添付ファイル】
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