カテゴリ:K's Room
嫌味な先輩だった思い出
先週の1年生のお便りに「アサガオの種まきをします」というお知らせが掲載されていました。生活科でこれからアサガオを育てるということで、水やりのペットボトルの準備についての詳しいお願いが書かれていました。アサガオセットは学校で購入しました。このアサガオの育て方について、学級担任時代に若手の後輩を(えらそうにも)指導したことがありました。
その頃はまだ今のような立派なセットを教材屋さんから購入することもなく、普通の鉢に種をまき、自分たちで調達した支柱を立ててアサガオを育てていました。あるとき、転任してきたばかりの若手教員A先生のクラスがアサガオの種まきをしていました。それからしばらくして、1年生が「芽が出た。」「双葉が開いた。」「本葉が見えた。」など、毎朝成長を楽しみながら水やりをする姿が見られました。そして、本葉が二・三枚になった頃です、放課後1年生の鉢の前を通るとすべての鉢に支柱が立ててありました。どうやらA先生が丁寧にも子供たちの鉢に支柱を立ててあげたようでした。私はその支柱をその場ですべて抜きました。
すると次の日、A先生が「誰かがいたずらで支柱を抜いた。」と騒いでいました。「抜いたの自分だから。」「えっ?」A先生は「何でそんな意地悪を?」という顔をしています。その日の放課後、A先生とアサガオのことを含め、いろいろなことを話しました。
私はA先生に「なぜ小学校でアサガオを育てると思う?」と聞きました。A先生の答えは「小さい子供たちが育てやすい。」「水やりをすれば大きくなっていくので、子供たちが成長を楽しみにして育てることができる。」「変化も分かりやすい。」などでした。まさにその通りなのですが、それだけでは正解とは言えません。私が支柱を抜いた理由についても「本葉が二・三枚の頃支柱をと本に書いてあったけど、少し早かったっすかね?」という反応。そもそも生活科では「アサガオをきちんと美しく育てること」を目的としていません。「子供たちにどんな気付きをしてほしいの?」「子供たちにどんなことを考えさせたいの?」「子供たちにどんな力を付けたいの?」…こんなことをA先生に聞きながら、いろんな話をしました。ただ、今振り返ってみると、A先生にとっては嫌味なやり方をしてしまいとても反省しています。ごめんね、〇〇先生・・・。
「なぜ小学校でアサガオなのか。」今度1年生の先生に聞いてみようと思います。
公開日:2021年05月07日 11:00:00
更新日:2021年05月07日 14:40:08